シロアリが発生しているのが判明した場合、自分でシロアリ駆除ができないのか一度は考えると思います。シロアリ駆除業者に依頼すれば、6~10万円近くかかります。どうしてもその費用が捻出できない場合の自分でシロアリ駆除をする方法をシロアリ駆除業者が教えます。

自分でシロアリ駆除を行う際の注意事項

基本的に知識の無い人がシロアリの完全駆除ができることはかなり難しいということ理解しておいてください。プロの駆除業者でも1,000件に1件、2件はシロアリの再発が発生します。まだ不慣れな業者ですと100件に1件、2件の再発率もあり得ます。そのくらいシロアリは見えない場所に隠れていることが多いのです。

自分でシロアリ駆除をする注意事項

  • 床下に潜る準備をしっかりする
  • 薬剤を散布する道具を揃える
  • シロアリ駆除作業だけで2日はかかると覚悟する
  • 駆除後も少なくとも半年に1度はチェックする

床下に潜る準備をしっかりする

シロアリ駆除は床下がメインです。床下からシロアリが上がってくることがほとんどのため、床下のシロアリを徹底駆除と予防処理を行う必要があります。

まず床下は真っ暗で、大変狭い場所です。体が大きい方は自力でのシロアリ駆除は諦めてください。厳しいですが、事故が起きてからでは遅いです。大変狭い場所なので、体が入らなかったり、狭い柱を抜けようとして挟まって動けなくなることがあります。

薬剤を散布する道具を揃える

シロアリ駆除を行うための薬剤と道具を用意します。薬剤はきちんと効果を発揮させるために専用のものを用意します。シロアリ対策協会推奨の薬剤を使用しましょう。

シロアリ駆除作業だけで2日はかかると覚悟する

初めてシロアリ駆除を行う方は、全ての駆除と予防が完了するまで少なくとも丸2日はかかると思って覚悟しましょう。初日の準備と床下での作業だけで1日が終わるくらい床下作業は大変です。道具もプロの駆除業者が使うものより小さく効率が悪いのでなおさらです。焦らず、コツコツと作業する気持ちでやりましょう。

駆除後も少なくとも半年に1度はチェックする

知識のない方がシロアリ駆除を行っても、まず完全駆除はできていないと考えておいた方が良さそうです。シロアリは1週間1ヶ月では目立った被害が出ませんが、半年も経つと被害が目に見えて広がります。駆除が終わったからと何年も確認しないのは厳禁です。できれば2~3ヶ月に1度は床下に潜って再発していないかチェックが必要です。少なくとも半年に1度は必ずチェックしてください。

以上の注意事項を覚悟いただいた上で、自力のシロアリ駆除についてご紹介します。シロアリは家に致命的な被害を及ぼしますので、難しそうと思ったら業者に依頼するようにしてください。シロアリ駆除が失敗するだけでなく、怪我や事故が起きてからでは遅いです。

床下に潜るための道具

寝板

寝板があると床下内を車輪で自由に素早く移動ができます。床下に高さがなかったりする場合は、逆に使いにくくなることがあるので注意が必要です。

寝板を使わない場合は、床下をほふく前進する形で這って移動することとなります。

ヘッドライトとハンドライト

床下は昼間でも真っ暗ですのでヘッドライトが必須です。ヘッドライトもなるべく明るいものを用意してください。もったいないからと安いものを購入すると暗くて使い物にならなく買い直すことになります。

ハンドライトも用意しておきましょう。ヘッドライトだけだと確認したい場所が見えないこともあるため、ポケットに入れておき必要な時に使用します。とにかく暗いのでライトは2つあると便利です。

防塵マスク

床下は見えないホコリでいっぱいです。また、薬剤を散布するのに吸い込まないように防塵マスクを使用します。

ゴーグル

防塵ゴーグルで目を保護します。ホコリだけでなく、薬剤や柱から飛び出ているクギからも保護します。床下には何があるかわかりません。

ゴーグルも1,000円以下の安いものもありますが、曇りやすかったりズレやすかったりと使いづらいので、それなりのものを購入した方が絶対にいいです。

使い捨てつなぎ

床下に潜れば非常に汚れます。ゴキブリやダニ、クモがいたり死骸が多く転がっていたりもします。少しでも体を守るために使い捨てでいいのでつなぎを用意すると安心です。不織布ですので床下が濡れていると染みてきますので注意です。

他には、
手袋、頭に巻くタオル、汚れてもいい靴で床下に潜入します。肌が弱い人は、ダニやホコリで腕や首が痒くなったり、かぶれたりするので、手袋とつなぎの隙間をガムテープで止めるなど、肌が露出しないようにしてください。

シロアリ薬剤と道具

まずは、薬剤散布するバリア工法と呼ばれる一般的なシロアリ駆除方法の薬剤をご紹介します。薬剤や木部用と土壌用の2種類があります。

社)日本しろあり対策協会 推奨のシロアリ木部用の薬剤です。様々な種類がありますが、臭いがキツかったり、十分な効果が得られなかったりする場合があるので、協会推奨のものを使用すると安心です。

薬剤の用法・用量指示通りに使用するようにしてください。
基本的に、
木部処理薬剤は、1㎡につき300ml、
土壌処理用薬剤は1㎡あたり3~5Lです。
結構な量を使うと思います。

木部用は柱などの木材に直接吹きかけて使用します。

土壌処理用のシロアリ駆除剤です。こちらも日本しろあり対策協会 推奨の薬剤です。

土壌用は床下の土やコンクリートに散布します。

木部用、土壌用と用途が違いますので必ず2種類用意してください。せっかく頑張って自力でシロアリ駆除をしたのに、効果がなくシロアリが1匹でも残れば全て台無しです。

薬剤を散布する噴霧器も用意します。

床下の高さなど状況によりますが、大きな噴霧器だと床下で取り回しがしづらく不便です。また手でポンプで圧力を加えて噴霧するタイプが安くて多いですが、床下の狭い場所で都度、ポンプで圧を加えるのは非常に手間です。途中で投げ出したくなるかもしれません。電池式噴霧器の方が使いやすいと思います。ちなみに業者の場合は、モーター式の噴霧器を長いホースだけを持って床下に潜ります。

こちらは手動の蓄圧式噴霧器です。

自分でシロアリ駆除をする2種類の施工方法

シロアリの駆除方法は現在2種類あり、薬剤を直接木材や土壌に散布する「バリア工法」と薬剤を混入させたエサを置き型物や地面に埋め込む「ベイト工法」と呼ばれるものです。

ベイト工法は地面に埋めるため、コンクリートで覆われている庭などでは施工できません。また、置き型のものもシロアリの蟻道を中心に一定間隔で置いていくもので、蟻道が見つけられない、見逃した場合は効果を発揮しません。

当サイトでは基本、バリア工法をご紹介いたします。

バリア工法のシロアリ駆除

シロアリ駆除の薬剤を散布するバリア工法でのシロアリ駆除方法です。
施工する順番として、まずは木材へ薬剤散布し、その後に、土壌散布の地面への薬剤散布の手順で進めていきましょう。

木部処理

1、床下や家の柱などに直接シロアリ木部用薬剤を散布します。

木部へのシロアリ薬剤散布

シロアリ被害に遭っていない木材にも薬剤を吹きかけます。薬剤が木部の表面に付着することで、シロアリの食害を防ぎます。木材同士のつなぎ目にもシロアリが入り込みやすいので重点的に吹き付けます。

また、外からの侵入も予防するためにも通風口にも噴霧しておきましょう。

2、シロアリに食害されている木材に穴を開けて薬剤を直接注入する

これはシロアリの穿孔処理といって、木材の中に入り込んだシロアリを駆除し、開いた空洞にシロアリが侵入させないように薬剤を注入する作業です。

1つの木材に対して数カ所の穴を開けます。穴の深さは木材の2/3程度にして貫通させないようにしましょう。

穿孔処理によって家の強度が落ちてしまうこともあります。強度が落ちると大きな地震で家屋が倒壊します。ちょっとでも不安でしたら無理せず、プロの業者にお願いするようにしてください。

3、土壌処理用の薬剤を地面に散布する

木材への散布、注入が終われば、土壌用の薬剤を床下の地面に散布します。全面的に散布しますが、特にお風呂場や洗面所、トイレ、キッチンなど水回りは重点的に散布しましょう。

シロアリ駆除土壌処理

薬剤散布の注意点

薬剤の散布する量が足りないとシロアリを防除する効果が発揮できないので、薬剤の希釈倍率や用量を守って、十分な量を散布するようにしてください。

また、木部用だけ、土壌用だけとどちらか一方だけの散布も効果がありませんので、必ず用途に分けて散布してください。

薬剤も近年は安全性に優れてきていますが、大量に吸い込むと健康被害に及ぶ可能性も考えられます。また体力も消耗しますので、床下での長時間の作業はせず、30分も作業をしたら休憩するようにしましょう。