シロアリを予防するためにもシロアリが発生しやすい環境を作らないことです。シロアリが好む家や発生しやすい3大条件は、「湿度」「木材」「水」で、この環境がある場所に簡単にシロアリが発生します。シロアリ被害に遭わないためにもしっかりと理解していただけたらと思います。
シロアリが発生しやすい環境
シロアリが発生しやすい環境は3つです。
- 湿度が高い場所がある
- 家の柱など木材がある
- 水がある
この3つの環境が揃った場所にシロアリが発生しやすいです。この3つの中で一番大切なのは水です。どのような生物でも水がなければ生きていけません。シロアリのような小さな昆虫でも水が必要です。
水があった上で、湿度が高い状態が維持されている場所が必要です。シロアリは乾燥にとても弱いため、一定の高い湿度の状態を好みます。また、湿度があることで木材に水分が含まれて柔らかくなり、食べやすくなります。ヤマトシロアリは湿った木材を好んで食べます。イエシロアリは乾燥した木材も食べます。食べる際に、水で湿らせながら木材を食べる変わった食べ方をします。
風がない環境も好みます。風があるとシロアリの体が乾燥しやすくなり、全体的な湿度も下がります。
シロアリが発生しやすい家の場所
「水」「湿度」「木材」この3つの条件をそなえる家の場所はやはり水回りです。お風呂場、洗面所、トイレ、キッチンとその周辺の床や柱です。1つずつ確認します。
お風呂場
お風呂場は毎日お湯を使うため、室内の温度が高く、湿気もたまりやすいため、シロアリが家の中で一番住み着きやすい場所です。シロアリが発生しやすいお風呂場は、タイルを使用した浴室です。タイルとタイルの目地の割れた部分から水が下に染み出します。水が染み出すとお風呂場の床下は湿った状態が続きシロアリが発生しやすい環境になります。
お風呂場でシロアリを見たことがなくても、床下で被害が拡大しています。シロアリは1日に数十個の卵を産みますので、数年で何万匹にも増えていきます。増えすぎた時に巣から引越しで飛び出して初めてシロアリの姿を見ることになるわけです。
洗面所
多くは、お風呂場とつながっていて、脱衣所も兼ねていると思います。お風呂の湯気や濡れた体で洗面所に出るので湿度の高い場所となります。こうして、お風呂場のシロアリが床下で洗面所まで侵入してきます。また、洗面所も毎日水を使い、手や顔を洗う際や、歯磨きなどで水が周りに飛び散ります。
トイレ
トイレもシロアリ発生の多い場所です。トイレもタイル張りなどは目地から水が染み出しやすく土台や柱を湿らせてシロアリの餌食になります。タイルでなくても、トイレの床や壁から水が染み出した場合に、やはりシロアリ発生がしやすくなります。トイレは木材が露出していないことが多いため、シロアリ被害に遭っていることに気付きにくく、気づいた時には被害が拡大していることが多い場所です。
キッチン
キッチンも湿度が高い場所のためシロアリが発生しやすくなります。シンクしたの収納スペースや床下収納など、閉めた状態が続くことが多いため、空気の入れ替えがされにくく湿気がたまりやすくなります。床に水をこぼしたり、水が跳ねたりすることで木材を湿らせやすい環境です。
シロアリが発生しやすり意外な場所
シロアリは水回りだけでなく、環境が整えば簡単に発生します。意外とも思えるシロアリ発生箇所があります。
玄関
玄関は地面に近い場所に上がり框(かまち)などで木材が使用されいて、シロアリ被害に遭いやすい場所です。床下からシロアリが上がってきて被害が発生します。玄関ポーチのわずかな隙間もシロアリ侵入ポイントになります。
ベランダ・庭
ベランダや庭ではエアコンの室外機、植木鉢、プランター、枕木が要注意です。特にエアコンの室外機は室内の湿気の排水によって夏場は常に湿っている状況になりやすいため家の壁や柱、木材に近い場所から排水ホースを離すことが大切です。植木鉢やプランターも毎日の水やりにより湿っているため、中の土からシロアリが発見されることもあります。外構で枕木を使う方も増えていますが、木材そのもので常に雨などで濡れる状態のためシロアリ被害が多い箇所です。
お庭の木
お庭に植えてある木がシロアリ被害に遭うことも多いです。少し弱った木や枯れ始めている木はシロアリが土壌から木の中入り込んで侵食します。まだ健康な木も被害に遭うこともあります。シロアリに侵食されると台風などでも倒れやすくなりますので早めの対処が必要です。特に枯れ始めた木は早めに除去することが大切です。
ウッドデッキ
ウッドデッキは常に雨で濡れやすいため、木材そのものが湿っていてシロアリ発生が高い箇所です。木材ではない人工木やプラスチック混在の人工的な物もありますので、シロアリ対策を考える際には検討材料としてください。
シロアリが発生しやすい家
シロアリ駆除の多く経験している中で、シロアリ被害が発生しやすい家というものがあります。該当する項目が多いほど確率が高くなります。
1、築年数が10年以上の家
どのような家でも10年も経過すると隙間ができたり、木材に水が染みこみやすくなっていたりと、劣化します。シロアリ駆除で依頼される家の8割~9割は築年数10年が経過しているお家です。また、新築の際にシロアリ予防施工をしているのがほとんどですが、シロアリ予防も5年間が限度です。その後、定期的にシロアリ予防をしていないお家ですと10年を目処にシロアリ被害が発生していきます。
2、家の周りに川や池など水がある
家の周りに川や池があれば、湿度が高い環境のためシロアリ発生確率がグッと上がります。川や池があるということは、土地そのものの地下水位が高いため、地面に含まれている水分が多く、床下から上がってくる湿気が多くなります。水分が多い土壌にシロアリが多く生息しています。
3、床下換気口が少なく、床下が低い
シロアリは風がない場所を好むため、床下の換気口が少ないほど空気の流れが悪くシロアリ発生確率が高くなります。また床下の高さが低いほど、床下の土壌から上がってくる湿気の量も増えるため、シロアリ被害に遭いやすいと言えます。
4、庭に木や盆栽、植木鉢、プランターなど木材が多い
シロアリは木材を主食とするため、木材がないところは好みません。といっても、庭やベランダに木材関連が1つもないお家は少ないですが、こうした木や盆栽、植木鉢、プランターなどで埋め尽くされていると枯れ木や枯れ枝を食べにシロアリが発生したり、定期的な水やりで常に湿った状態が維持されますので、シロアリが発生しやすくなります。また物が多かったり、庭木の手入れがされていない状態が続くと風通しも悪くシロアリの絶好の住処となります。
5、雨漏りがあったり家の修繕がされていない
雨漏りは家にとって大きなダメージとなります。木材に染み込んだ水分が木材を腐らせます。水分は上から下に染み込んで、床下の土台まで達しシロアリを発生させます。家の外周部の修繕がされずそのままの場合は特に注意が必要です。外からの水の侵入により簡単にシロアリが入り込んで侵食していきます。家の修繕は早いうちに行うことで費用も時間もかからず済みます。