自分でシロアリの生息チェックを定期的に行うようにしましょう。人間の病気と同じように、シロアリ被害も定期検診・早期発見がとても重要です。シロアリ被害が広がると駆除だけでなく、修繕やリフォームなど大きな出費になります。シロアリの兆候を見つけたら、1日でも早く家の中に入り込んだシロアリを徹底的に駆除するようにしましょう。早期発見することで被害が限定的でシロアリ駆除の費用も安く済みます。早期発見で被害を最小限にとどめるようにしたいものです。

シロアリ生息チェックポイント

シロアリが生息しているかは目で見て、手で触り、叩いて音を聞き、鼻を効かすことです。シロアリ被害がないか確認すると同時に、見えない場所でのシロアリ被害も感覚を頼りにその兆候を感じとるようにします。

  • シロアリ床下チェック
  • 蟻道が作られていないかチェック
  • 羽アリがいないかチェック
  • 床や柱が問題ないかチェック
  • 乾燥した砂粒状の糞がないかチェック

シロアリ床下チェック

家にシロアリがいないかは床下を一番最初にチェックします。床下が一番シロアリが発生しやすく、被害が最も出やすい場所だからです。

床下全体の臭いもチェックしてみてください。外の空気と違うので違和感を感じるかもしれませんが、明らかにカビ臭いなど、気になる臭いがないかもチェックします。

床下チェックをする前の注意事項

床下は狭くて暗くて危険な場所です。
下記の注意を確認してください。
・一人で床下に入らない。何か会ったときのために入口で一人待機してもらってください。
・狭くて無理だと思ったらすぐに引き返す。柱や床上との間に挟まって出られなくなる場合も。
・夏の暑い時期は避ける。プロの業者でも暑くて苦しい場所です。暑い時期は避けてください。
・冬場はシロアリが隠れてわからないことも。春か秋のシロアリ活動時期がベストです。
・自己責任でお願いします。何かあれば躊躇せず119番してください。

またこのような方は床下に潜らない方が良さそうです。
・ゴキブリやクモがいます。特に大きめのクモが多いです。虫嫌いはやめておきましょう。
・喘息やアレルギー体質の方。ホコリやダニも多く、体中が痒くなることも。
・体がふくよかな方。入口は通っても中を進んで挟まって動けなることも。本当に狭いです。

床下のシロアリチェックポイント

  • 柱が湿っていないか
  • 蟻道が作られていないか
  • 柱がかじられていないか

柱が湿っていないか

湿気や家のどこからかの水漏れが原因で柱などの木材が湿っている場合があります。カビが生えていたり、常に水に濡れた状態の場合、木材が黒ずんでいたりします。目視の確認だけでなく、素手で直接触って確認するようにもしましょう。ひどい場合は、木材が水に含んでブヨブヨしていたり、押すと水が染み出したりします。

蟻道が作られていないか

シロアリは体を晒して歩くことは少ないです。風や感想を嫌うため、どうしても木材の外を歩く必要がある場合には、蟻道というシロアリが自分で作るトンネルの中を移動します。

シロアリの蟻道
床下シロアリの蟻道

床下にこのような蟻道が作られていないかチェックしてください。

もしこのような蟻道があった場合、壊したりせずにそのまま業者に見てもらうようにしてください。蟻道を壊してシロアリを退治したい気持ちもわかりますが、この蟻道を壊してもまた新たに同じ場所か別の場所に作られるだけです。また、蟻道を残すことで駆除業者が見たときにシロアリの種類や生息状況、被害の範囲を判断しやすくするためです。

蟻道の中にシロアリがいるか確認する必要もありません。すでに蟻道を通って木材に達していれば木材との隙間や木材の中にシロアリが入り込んでいるからです。

床下に潜れなかったとしても、床下点検口などから床下の臭いをかいでみてください。なんとなく湿気を感じたり、カビ臭かったりしないかチェックしてみます。

明らかにカビ臭いとか、異臭がする場合は要注意です。

蟻道が作られていないかチェック

シロアリの蟻道が作られるのは床下だけではありません。ベランダや庭、外壁に作られることもあります。

ウッドデッキシロアリ蟻道
ウッドデッキシロアリ蟻道

この写真はウッドデッキの束石(つかいし)にできていたシロアリの蟻道です。一見、砂が固まったように見えますが、地面から繋がって上に伸びて木材にまで達しているのが特徴です。この中をシロアリが通って木の中に入り込んで行きます。

家の基礎部分や柱、外壁やブロック塀などに、このような蟻道が作られていないか、よく見て確認してみてください。

羽アリがいないかチェック

羽の生えたアリのような虫を見ても、羽の虫が家に入った程度にしか思わずそっと対処してしまうこともあります。それが後にシロアリだったと判明するまでは。

家の中で羽アリを見たら、羽アリがいた付近をしっかりとチェックするようにしましょう。特に浴室や洗面所、トイレや台所の床や柱をチェックしてください。

羽アリがシロアリかどうか確認できればいいのですが、虫が苦手の方も多いと思いますので、その場合は他にもいないか、付近に木がかじられたり穴が開いていないかチェックしましょう。

参考ページ:シロアリと黒アリの見分け方

床や柱が問題ないかチェック

床や柱にシロアリの痕跡がないかもチェックしましょう。

床や柱に穴が開いていたり、かじられたような痕がないか目視だけでなく、押してみたり、触ってみてブヨブヨしていないかどうか確認します。

外観は問題なさそうでも、内側からシロアリに喰われている可能性もあります。シロアリは木材の柔らかい部分が好きです。
木の中の柔らかい部分や湿っているところを食べ、外側の乾いている部分には手をつけないため、表面はそのままで内部を侵食していきます。拳で叩いてみて中が空洞になっていないかチェックしてみましょう。

乾燥した砂粒状の糞がないかチェック

これはアメリカカンザイシロアリのケースです。アメリカカンザイシロアリは乾いた木材を食べていきます。

あるお宅で、上から砂粒が落ちてくると相談があり、訪問してみると、屋根裏がアメリカカンザイシロアリに食されていて、アメリカカンザイシロアリのフンが上から落ちていたことがありました。

一見すると乾いた砂にしか見えません。これが柱の下や床、窓枠、家具などにないか確認してください。家の中だけでなく、玄関やウッドデッキに砂状に盛り上がったものがないか外周もチェックします。

アメリカカンザイシロアリはシロアリの中でも一番駆除がしづらく、対応できない駆除業者もいるほどです。被害が家のあちこちに及んでいるため、しっかり駆除したつもりでも残っている可能性があります。そのため、アメリカカンザイシロアリは保証の対象外というところも大変多い状況です。

シロアリ生息チェックのまとめ

シロアリ生息チェックのポイント箇所を、目で見て、触って、叩いて音を聞き、鼻を効かせてチェックしてみましょう。

季節ごとに年4回もチェックすれば、何かしらの変化や異変がわかります。床下に潜ることは別として、紹介した内容のチェックも半日もあれば終わります。

また床下に潜ることにちょっとでも不安を感じたら絶対にやめておきましょう。プロの駆除業者なら潜って目視だけでなく、湿度高さやシロアリ被害に遭いやすい環境かどうかも教えてくれます。